気ままに日向坂

日向坂46のコンサート(セットリスト)についてをメインに、音楽活動について思ったことを書いていきます

『全国おひさま化計画2021』のセトリを現地に行かずに批評する

現地で観てないやつがセトリやコンサート自体を批評するのは以ての外なんですけど、セトリ大好きマンなので色々言わせてください。ちなみに早く記事が書きたかったので感想やレポはほとんど見てません(ムービングステージがあるという情報は見た)。セトリはここからどうぞ

 

コンサートのオープニングについて

まず、コンサートの始め方。AKB系列の慣習であった「VCRから始まっても『Overture』を鳴らしてから楽曲を披露する」を適用せず、「VCR→曲→Overture」の順で始めたらしいがとても良い試みだ。ちなみに下の画像は私が半年前ぐらいに考えていたやつなんですけど、今回とちょっと似ていてテンションが上がりました。

 

f:id:ochiaiochiau:20210915213006j:image

 

私がこのように『Overture』を4曲目に入れた目的は正直忘れてしまったが、①マンネリ防止②長いオープニングブロックの繋ぎとアクセントのため、に作ったと思われる(SMAPのライブから影響された?)。仮にこれらの目的であるならばコンサートの幅が広がるので出来る限りやってほしい。そう思うのは、AKB系列と一般アーティストではOvertureの意味合いが異なるからだ。

 

AKB系列はグループ毎に『Overture』という楽曲が存在し、ほとんどはそれから始まる。普通は、聞いたことのない壮大な音楽が流れてスクリーンでメンバーの顔と名前が紹介されるみたいなやつがOvertureだ。だから一般的には"Overture"はコンサート毎に存在するのだ。でもAKB系列はほとんどありえない。例えVCRから始まっても楽曲を披露する前には必ずOvertureが入っていた。しかし日向坂がこれを覆してきた。これはデカい。楽曲としての『Overture』をコンサートのOvertureに当てはめなくてもいいと気づけたことがデカい。ちゃんとVCRを作り込めばそれがコンサートの始まりになる。自分たちの他のコンサートとも差別化出来るのだ。

 

 

オープニングブロックの工夫

『Overture』以降の7曲(06のMyfansまででもいいと思うが)、即ちオープニングブロックに関して見てみたい。

 

03. 青春の馬

04. アザトカワイイ Remix

- 寸劇

05. キュン

- 美玲ソロダン

06. My fans

- ミュージカル

07. ドレミソラシド

- 朗読劇×2話

08. 声の足跡

09. ときめき草

 

寸劇や朗読だけでなく、日向坂のコンサートはオープニングブロックの1曲毎に何かしら要素を入れてくる。スーパーボウル的なダンスブレイクや富田ラップ、ストンプ&クラップなどだ。これは日向坂にとっては定番というか凝り固まってるというか特徴の一つだ。

 

この工夫の良い点は、コンサートの始まりが長く感じることで「コンサートに来たという高揚感がどんどん膨らんでいく」ところだ。曲をただたくさん並べるわけでなく寸劇やダンスブレイクというそのコンサートでしか観ることの出来ない要素は観客にプラスを与える。

反対に悪い点は、曲と曲との繋がりがないこと。1曲1曲が孤立しているし、楽曲の存在意義が寸劇や演劇の中の一つでしかない感じ、つまり「(メインが楽曲ではない)演劇会を観に来たのではないか」と捉えかねないのだ、ましてやその台本のために作られた楽曲ではないのに。まあこれは私の定義みたいなものからしたらこう見えるだけであって色々な形があると思うし、これが”日向坂46のコンサート”なんだけど、曲数多めで演劇なしのストロングスタイルコンサートも観たいなぁとも思っている(KEYAKI-FES 2021はストロングスタイルだが全然物足りない)。

 

MC前の曲選び

これは本当に好みなんだけど『膨大な夢に押し潰されて』みたいなカッコいい曲をやった後に「ご当地方言トーク」についてMCするその落差がちょっと恥ずかしいなという感じ。しかも大体MCに入る時って「イェーイ!!」って言うイメージだから尚更。個人的には明るめの曲からMC行きたいね。

 

そもそもの選曲方法

ポイントは、ツアータイトルが『全国おひさま化計画 2021』なので、マニアックな曲(特に『走り出す瞬間』の楽曲)をどこまでやるかだ。新規のために有名曲中心で構成していくのか(初全国ツアー・久しぶりの有観客なので、全国のおひさまは例え有名曲でも生で観たいと思っているかもしれない)、ちゃんと変化球入れて緩急をつけてくるのか。

日向坂46「全国おひさま化計画 2021」セットリスト考案大会 - 気ままに日向坂

と以前書いたようにどういう曲の選び方をするのか気にしていたのだが、見事に「最新曲・人気曲・定番曲」しかやりませんでしたね。10周年コンサートで最新曲しかやらずに賛否両論あったAAAを思い出しましたね。

でもこのツアーが「全国津々浦々の皆様を日向坂のファンにしよう」という目的なので理解は出来るんですけど、コンサートに来る人は既におひさまなんで……、まあ最新曲をファンの前で生で披露する場所と観る場所が最近なかったんでこれはこれで良いんですけどね。期生曲をそれぞれ1曲ずつやらなかったのが以外でしたね。まあ難しいですねこの問題は。

 

日向坂運営は「この曲をこの位置でやる意味」をあまり考えていない直感タイプ

例えば”なぜA曲を1曲目にしたのか”という疑問が出たときに、「1曲目っぽいから」と「このコンサートにおいてはこの曲が一番重要だと思ったから」という2つの意見って、確かに一理あるんですよね。感覚と論理、感情とロジック的な。でも両者もそれだけじゃ通用しない場面が出てくるんですよ。

今回でいえば『声の足跡』~『世界にはThank you!が溢れている』までの中盤ですね。ライブ前半の演劇を絡めた所謂日向坂っぽい構成と、ダンスブレイクから繋がれた『君しか勝たん』『キツネ』『誰よりも高く跳べ!』というラストスパートからVCRを挟んで『ってか』に繋げるというライブ終盤、この2つがしっかり構成されているのに、楽し気なMC→『何度でも何度でも』『膨大な夢に押し潰されて』→楽し気なMC→ユニット1曲・期生曲1曲という中盤は、文字通り中だるみに見えてしまった(現地にいないのに何言ってんだとは私も思う)。

 

なぜそこにその曲を入れたのか、その曲はその位置で機能するのか(この問題における”固定概念”を覆すのは難しいんじゃないかな)、なぜその曲をやるのか、なぜあの曲をやらないのか等、私は例えお遊びでやってても、感覚的でも論理的でもちゃんと考えていきたい。

あまり関係ないけど、松潤Netflixのドキュメンタリーで「Crazy Moonはその位置じゃ機能しないんだよね」みたいな発言をしてるのを観た時、凄く嬉しかったなぁ。

 

 

以上、約2時間で書き上げてみました。

「コンサートにとやかく言えるのはその場にいた者とオンラインライブで観た者のみ」という意見は至極真っ当だが、どうしてもインターネットに考えを早めに発信したかったのでどうか許してほしい。

そういえばムービングステージが導入されたらしいが、大所帯アイドルのムビステの使い方もちゃんと考えてみたいな。